闇鍋全体戦第4問振り返り(解説つき)
2020/6/27 19:00 ~ 2020/6/29 3:00ごろ に行われた闇鍋全体戦(GM:@Hattenazo)の中で4問目の作問をさせていただいたので，拙い文章ですが，参加した経緯と問題の解説を少しだけ記録しておくことにします．
黒猫謎アカウントでは，ちょうど1年くらい前の2019/7/7から，黒猫謎大会という企画を行いました．
この企画では，知識ベースの問題が多い(クロスワード×3)ほか，パズドラやモンストのアカウントを利用した問題，ミステリー小説，計算させる問題，私の専門分野のセルオートマトンなど，私の興味のあるものを詰め込んで問題を作りました．
約1年が経つので第2回黒猫謎大会用にといくつか謎に使えそうな案を考えていましたが，なかなか時間が取れず謎の形に昇華できずにいました．
そんななか闇鍋全体戦という企画が行われるということで，1問だけでも謎を完成させて参加させていただこうと考えました．メインの題材は森博嗣の小説『笑わない数学者』に登場するビリヤード玉の問題で，Gシリーズの英語サブタイトルと組合せた問題にしました．
闇鍋全体戦第4問．(2枚セットで1問)
では，簡単に解説です．
まず1枚目をギリシャ文字をもとに考える(探す)と，森博嗣の小説Gシリーズの英語サブタイトルが当てはまることが分かります(一番下の『ωの悲劇(The Tragedy of ω)』は未発売ですがタイトル，サブタイトルはほぼ確定しているので載せています)．
次に2枚目を見ます．上に書いてある英語は，『藁はない数学者』→『笑わない数学者』とやはり森博嗣の作品を表しています．笑わない数学者という作品を検索すると，作中に出てくるビリヤード玉の問題というものが見つかります．
「五つのビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングにつなげてみるとしよう。玉には、それぞれナンバーが書いてあるな。さて、この五つの玉のうち、幾つとっても良いが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、五つ全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバーを足し合わせて、１から２１までのすべての数ができるようにしたい。さあ、どのナンバーの玉をどのように並べて、ネックレスを作れば良いかな？」 by 天王寺翔蔵
作中の問題は5つの場合で，答えは 1, 3, 10, 2, 5 の順にリング状に繋げればいいのですが，同様にN個の玉でN(N-1)+1までのすべての数を作れるように数字を入れていきます(ちなみに，MATHEMATICIAN HAS NO STRAWが左右に分けて書かれているのは，下の図の右と左が繋がっていることを示唆しています)．ウェブ上で答えを探すか，プログラムを書いて解いていきます．全て埋めたら，a〜r, A〜R, x, Xの数字を一枚目の対応するアルファベットに当てはめます．
Gシリーズのサブタイトルを発刊順に並べ替えて，a-Aならa番目の作品のA文字目を取る，ということを繰り返すと，「ANOTHER GLEEK LETTER」となります．そこで，森博嗣の作品のサブタイトルに登場するもうひとつのギリシャ文字を探すと『黒猫の三角(delta in the darkness)』があるので，答えは「delta」となります．ちなみに，作品をギリシャ文字順のままで対応する文字をひろうと「ANOTHER ENTER SISTER」となり，すべて存在する単語にはなりますが，この場合ヒントの「x-X=X-x」が合わなくなるため不正解です．
一応発刊順のサブタイトルとパズルの答えも載せておきます．
今回作問する上で心がけたことは，解く側が何をすればいいか分からない，ということが起こらないようにすることでした．そのために，1枚目のHINTと2枚目の〜MATHEMATICIAN HAS NO STRAW〜を入れておきました．何を考えるべきか全くわからないと辛いですから．
あと，『黒猫の三角』と黒猫謎も掛けてある？という声がありましたが，黒猫謎の中の人のtwitterアカウント名は黒猫の三角で，まさに森博嗣の小説から取っています．始めは黒猫の三角アカウントで出題するつもりでしたが，答えを「delta」にしたためアカウント名から答えが推測されないように配慮し，黒猫謎アカウントでの参加となりました．
というわけで，皆さんお疲れさまでした．
(ちなみに，黒猫謎大会2の開催は当面考えていません)
